宮城野区小田原の内科・消化器内科
内科萱場クリニック
〒983-0803 宮城県仙台市宮城野区小田原1-5-32
TEL: 022-256-5101

クリニック案内

○各種健康保険取扱い
○駐車場あり(12台完備)
原則院内処方

医院名
内科萱場クリニック
院長
萱場 佳郎
住所
〒983-0803
宮城県仙台市宮城野区小田原1-5-32
診療時間
8:30~12:00、14:30~18:00
※土曜日は9:00~12:30までの診療
水曜・土曜午後、日曜、祝日休診
電話番号
022-256-5101
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トピック

風疹への対応

今年は風疹が関東地方で例年以上に流行していると、ニュースが伝えています。全国で、既に去年一年間の2倍近くに    

なっています。交通機関の発達で、仙台でも安心はできません。風疹はウイルスによる飛沫感染であり、潜伏期は2~3 

週間、症状はリンパ節の腫れ(特に耳介後ろ、後頭部、頚部)、紅く小さい発疹、発熱がみられます。これらの症状が全

てそろわないこともありますが、一度感染すると、ほとんどは二度と感染することはありません。ただ大人になってから

初めて感染すると、子供より重症になることがあり、関節炎が長引いたり、まれに脳炎などをおこすことがあります。特

に女性が妊娠前半(妊娠20週頃まで)に初めて感染すると、胎児が先天性風疹症候群(先天性心疾患、白内障、難聴、網

膜症など)を高率におこすことが問題になります。 ウイルス感染ですから対策は予防接種ですが、妊娠中は接種するこ

とができず、接種後は 2カ月間避妊が必要です。そのため女性は感染したことがなければ、妊娠前に2回風疹ワクチンを

受けておくこと、配偶者など妊婦の周囲でも対策をとっておきましょう。

日本では1977年8月から女子中学生に対して集団接種が始まりました。しかし当時男子中学生には集団接種はされず、ま

た一時任意接種になったこともあって、現在の30代後半から50代後半までの多くの人(特に男性)は予防接種を受けて

ないことになります。風疹に対する免疫調査でも、その年代の免疫が低いことが明らかになっています。実際の風疹患

も、男性が女性の3倍以上であり、女性は妊娠が判明すると産科で必ず風疹の抗体価を調べますが、配偶者や同居の家

は調べません。そのためにたまたま妊婦に免疫がなく、周囲の家族配偶者がその時期に感染した場合、妊婦にうつして

まうリスクが大きくなります。30~50 代の男性で風疹にかかったことがない、もしくはわからない場合、風疹ワクチ

を受けていないか、あるいは接種歴が不明の場合には、風疹の抗体を既に十分もっているかは、採血で調べることがで

ます。そして抗体価が低い場合は、早めに予防接種をしておきましょう。今後妊娠、出産を希望する家庭では、家族み

なで早めに対応しておくことが重要です。


CKD

今年仙台市では9月末まで特定健診、基礎健診(メタボ健診)が行われています。健診の項目には、例年通り血圧、脂

質、HbA1c(1~2か月前の血糖の平均)等の他に、尿潜血、尿蛋白、腎機能(クレアチニン、eGFR)が含まれていま

。eGFRは、クレアチニン値、性別、年齢から、標準体型の場合に時間あたりの腎臓での血液ろ過量(腎臓の機能:ml/

分/1.73m2)を計算で出しています。そのため力士のように体が非常に大きい人や、極端にやせた人ではずれが生じます

が、本人の過去、現在、将来での腎機能の比較ができます。eGFR 60以上が正常とされており、若い方は100程度あっ

て、加齢とともに低下していきます。

 その中で慢性腎臓病(CKD)という考えが、2002年に国際的に決められました。慢性腎臓病での機能低下が原因で、

将来透析に陥ることを早めに予防しようというものであり、尿や腎臓の異常、特に蛋白尿が見られるか、もしくはeGFR 

60以下、の「いずれか」、または「両方」が3か月以上続く時に診断されます。慢性腎臓病は、メタボと関連が深いとさ

れているものの、少しの蛋白尿が出ているか、eGFRが60をわずかに切ったような初期の段階では、自覚症状はほとんど

ありません。そのためにいつの間にか悪化しやすいとされており、慢性腎臓病の怖さは、悪化していくと将来への透析

(eGFR 10台)や腎移植はもちろん、脳心臓の血管疾患(脳卒中、心筋梗塞)による死亡リスクが急激に増えていくこと

にあります。

 慢性腎臓病の原因としては、加齢、高血圧、喫煙、メタボ状態(脂質異常、糖尿病、高尿酸)、腎炎などがあげられま

す。高血圧では、心臓から続く太い動脈に、腎臓で尿を作る細い血管、脳組織を通る細い血管が直接つながっていること

から、これらの細い血管に直接高い圧力(血圧)がかかってダメージをひき起こし、腎機能の低下や脳へのダメージ(ラ

クナ梗塞)を起こすと考えられています。腎機能の低下原因の中で、加齢は仕方がないとしても、他の要因は早期に対応

すれば防げるものであり、特定健診、基礎健診の項目で自分の状況を知ることができます。健診を毎年定期的に受けると

ともに、その後の経過観察についてぜひかかりつけ医で相談していきましょう。



濃縮されて

いよいよ梅雨明けで暑い夏がやってきます。夏によく聞く熱中症で、重篤な場合には意識障害や死亡に至りますが、同じ

ように脳卒中(脳血管障害)の内、脳梗塞が、梅雨明けから8月、夜間から起床後2時間に多いとされています。

冬は、寒さで血管が収縮することで血圧が上がって血管が破れるために、脳出血やくも膜下出血が多くなります。

一方夏では、血管が冬ほどは収縮しないことから、血圧が一気に上がることはないものの、大量の汗をかくことで脱水に

なりやすく、血圧が下がり、血液が濃縮されてどろどろになって詰まりやすく(梗塞)なります。特に就寝中は水分を取

れないことから、発症しやすいとされています。

 脳の血管が詰まる場合には、

1) ラクナ梗塞:脳の細い血管に動脈硬化がおこって詰まる。高血圧の人に多い。狭い範囲の脳が障害を受けるので、初

めは症状が出にくいものの、多発してくると脳が萎縮して、将来認知症のリスクが出てくる。

2) アテローム血栓性脳梗塞:脳の太い血管の内側にコレステロールの塊が付いて、そこに血液が凝固して血管を塞いで

しまう。太い血管が詰まることで広範囲の脳が障害を受け、半身不随や意識障害等の重い後遺症を残しやすい。

3) 心原性脳梗塞:心房細動等で心臓の中に凝固した血液ができて、それが流れて行って脳の血管を塞ぐ。太い血管が塞

がれば、重い症状となる。

があり、脳卒中死亡の60%以上を占めるとされ、特に夏にはラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞が起こりやすくなりま

す。

予防するには、脱水状態に水分を補う意味から、就寝前や起床時に水を飲むようにしましょう。

ただ脳梗塞は夏に発症が多いといっても、それ以外の季節には特にないわけではありません。脳梗塞の発病には加齢や

生活習慣が関わっています。

脳梗塞の危険因子として、高血圧、糖尿病、脂質異常が上げられ、予防として、動脈硬化を抑えるために、禁煙し、食べ

すぎ、多量の飲酒を控え、寝不足・肥満を避けて、適度の運動を心がけるなど、生活習慣の改善が大変重要です。 

脳梗塞では、顔がゆがむ、片方の手足が痺れる、腕が上がらない、うまく話せない、意識がおかしいといった症状が突然

現れます。その時は時間との勝負です。早くに治療ができれば、大きな後遺症を残さずに済むことがあります。救急車を

呼んで急いで脳の専門医療機関を受診してください。

またこれらの症状が現れても、まもなく消えてしまうことがあります。これは一過性脳虚血発作と言って、その後に重大

な脳梗塞が現れる危険性が大です。症状がなくなったからいいというのではなくて、速やかに脳の精密検査を受けましょ

う。




8020

最近8020(ハチマルニイマル)運動が提唱されています。高齢(80歳)になっても、自分の歯が20本以上あれば噛む 

機能が維持されて食生活に支障がなく、健やかな生活を送れるだろうとの考えです。そのためには、歯を失わないよう

にすることが必要となりますが、自分の歯の喪失原因の9割は齲歯(虫歯)と歯周病で占められています。そのリスク因

子としては、口腔清掃の不良、喫煙等が挙げられており、喫煙では一酸化炭素やニコチンが、免疫能や傷の治りに悪影

響を与え、歯周病の治療や、歯周外科手術の治療経過が不良になることが知られています。

また歯周病(歯槽膿漏)は、歯の喪失原因だけではなく、全身疾患とも関連があります。歯と歯茎の境目には歯垢がつ

きやすく、歯垢はさまざまの歯周病菌の塊です。それらの歯周病菌が産生する毒素が、歯肉に炎症を起こして、赤く腫

れて歯を支える骨を溶かしてついには歯が抜けてしまいます。またそれらの菌や毒素は、歯肉から血管内に侵入して免

疫反応を刺激し、肝臓や脂肪組織から化学物質の産生を促します。この化学物質は血糖を下げるホルモン(インスリ

ン)の効果を妨げることから、血糖コントロール不良になり糖尿病になりやすくなります。また糖尿病自体も、歯周病

を悪化させやすいとされています。歯周病は、細菌感染による慢性炎症であり、その始まりや進行具合には体の抵抗力

が影響してきます。それに対して、糖尿病が悪化すると免疫抵抗力が低下して、血管壁の変化、傷の治りの遅れがおこっ

て、歯周病の悪化、歯の喪失を進めてしまいます。

さらに動脈硬化でも、歯周病菌の関与が上げられます。歯周病菌が血中を流れることで、血管の内壁を傷つけてしま

い、そこに脂肪性沈着物(プラーク)が付着し、動脈硬化を進めていき、同時に喫煙が加われば、さらに進行していき

ます。実際に命に係わる大動脈瘤や、歩行困難に繋がる下肢動脈の閉塞性動脈硬化症では、その血管組織から歯周病菌

が高率で見つかり、原因の一つと考えられています。歯周病は、全身の病気と全く関係ないようにみえて、実際には重

大な病気を引き起こしてきます。8020を目指して、定期的に歯のチェックも心がけましょう。




きわめて強い

今年の大型連休の前後に、沖縄や名古屋での麻疹(はしか)の発生がニュースに流れました。2015年に日本から麻疹は 

排除されたと、世界保健機構(WHO)が宣言しましたが、外国から持ち込まれて、それが拡がってしまいました。麻

疹は空気、飛沫、接触で感染するとされて、きわめて感染力の強い疾患です。

麻疹は予防接種で抑え込める疾患です。2001年に全国的に麻疹の流行があった際、1歳児の予防接種率が上昇したこと

で、乳幼児の感染が大きく減少し、麻疹の流行規模は縮小しました。そのため周囲からうつる感染機会が減り、予防接

種をしていない人や、接種しても免疫が獲得できなかった人で以前なら感染して発症していたはずの人が、感染しない

で済んだということが起こるようになりました。感染すれば一生免疫を持ちますが、感染しなかったために免疫を持っ

ていなかったり、予防接種で免疫を獲得後に、さらに感染によって免疫力が高まることもなくて、加齢とともに免疫

力が低下することがあります。

麻疹の合併症としては、肺炎、脳炎、中耳炎、心筋炎等があり、1000人中1人程度が死亡(2009年の新型インフルエン

ザでの日本の死亡率は10万人で0.16人)するとされています。特に肺炎は死亡例の6割を占め、また脳炎は感染1000人

中1人で合併し、15%は死亡、25%は神経に後遺症を残すとされています。現在麻疹への特効的な治療法はなく、予防

接種(2回)が最も重要です。

特に
・10歳代の学生等で麻疹予防接種未接種、1回のみ接種、もしくは接種歴不明

・東南アジア等、麻疹発生国に旅行予定

・麻疹抗体価陰性もしくは低抗体価の妊婦の家族(妊婦は接種不可)

・保育所、学校、医療関係者 

・不特定多数の人と接触する職業                                                   

などの場合は、早めの接種が望ましいとされています。もし心配な場合は、かかりつけ等の医療機関に相談してみましょ

う。



健と検

新年度となり、今年も職場の健康診断や住民健診が始まります。今年は仙台市の特定健診では従来の7~10月、基礎健

診の8~10月だったのがそれぞれ一か月早く始まり、一か月早く9月末で終了することになりました。

一言「けんしん」と言った場合には、「健診」と「検診」があります。「健診」は健康診断のことであり、健康である

かどうかを確かめるものです。健康であるかを確認するとともに、病気になる危険因子をもっているかを探すものであ

り、本来がんなどの病気を見つける目的ではありません。そして病気になる危険因子が見つかったときには、生活習慣

を改めて健康管理をしていくことになります。健診の中で法律で決まっているものには、先ほどの特定健診や、職場の

定期健康診断、また学校健診が挙げられ、任意ではドック(人間ドック、脳ドックなど)がそれにあたります。

その健診の結果を踏まえて、将来の病気へのリスクを抑えていこうというものであり、例えば特定健診はいわゆるメタ

ボ健診であって、将来の動脈硬化を抑えて心筋梗塞、脳卒中を予防しようというものです。そのため健診の結果だけを

みて、病気の危険因子に対して何ら対策をしなければ、健診の目的からは、ずれてしまうことになります。

一方の「検診」は、特定の病気を早期に発見し、早期に治療することを目的としています。そのため、健診とは目的が

違っており、大腸がん検診、胃がん検診、肺がん検診等のがん検診がこれにあたります。国では大腸がん検診では、40

歳以上で年一回問診と便潜血検査、胃がん検診では50歳以上(バリウムの場合は40歳以上)で、問診と胃バリウム検査

もしくは内視鏡検査で二年に一回(バリウムでは当面年一回、)、肺がんは40歳以上で、問診、胸部X線検査、喀痰細

胞診検査で年一回の受診を勧めています。

春には、新年度の特定健診、基礎健診の申し込み、病気ごとの検診の申し込みが始まります。ぜひ忘れずに申し込む

ようにしましょう。



すい臓の

今年も野球シーズンが始まりました。ただ今年は、年明け早々にプロ野球元監督がすい臓がんでなくなられた悲報が駆 

け巡りました。

すい臓がんは、がんの原因臓器別で、男性では肺、胃、大腸、肝臓についで第5位、女性では大腸、肺についで第3位の

死亡原因となっています。がん全体の5年生存率(がんが見つかってから5年間生存している割合)が60数%程度である

のに対して、膵臓がんは7~8%と極端に低いのが現状です。

すい臓がんの自覚症状には、腹痛や背中の痛み、体重減少、黄疸、食欲低下等がありますが、早期には自覚症状はほと

んど現れません。そのため自覚症状が現れたときにはすでに進行してしまっていることが多くみられます。またタバコ

は肺がんの危険因子といったように、すい臓癌でも危険因子の存在が知られています。すい臓癌では、

① 糖尿病:糖尿病の人はすい臓癌になるリスクが高いことが知られています。糖尿病が急速に悪化したときや、突然発症した

ときは特に注意が必要です。

② 慢性膵炎:男性では飲酒が、女性では原因が特定できない特発性が原因として多くを占めており、慢性膵炎では膵癌の危険

性が12倍にあがるとされています。

③ 肥満:極度の肥満

④ 喫煙:本数が多いほど危険性が高まります

⑤ 連日の多量の飲酒

⑥ 家族にすい臓癌の人がいる方(家族性)

が、あげられています。

膵臓は細長い臓器で、胃や大腸の後ろ(背側)、脊椎と腹部の大血管の前(腹側)に位置しています。そのため腹部エ

コー(超音波)検査では胃腸のガスに阻まれて、すべての観察がなかなか困難ですし、また胃や大腸のように内視鏡で

直接観察することもできません。一方CTやMRIといった腹部の写真ではガスの影響もなく、検査をすることができます

が、費用や時間、被爆といった制限が加わり、検査としては一長一短です。

現在自覚症状がなくても危険因子を多く持つ方は、たまには健診機関で健診を受けるか、上記のような自覚症状のある

方は、かかりつけ医にぜひ相談してみましょう。



今年のスギは

今年もまた鼻水、くしゃみ、目の痒みなどの不快な季節がやってきます。昨年のスギ花粉の飛散は例年の約半分だった 

のですが、今年仙台では3月上旬から、例年の約2倍の飛散が予想されています。昨年は非常に症状が軽かった方も、今

年は症状が重い可能性があります。

花粉症の治療には、まず抗ヒスタミン剤の内服が使われますが、症状の出る前、2月からは内服を始めておいたほう

が、症状を抑え込めるとされています。内服してもさらに症状が出るときには、点鼻薬や点眼薬を加えていきます。最

近の抗ヒスタミン薬は眠くなりにくい種類が出てきていますが、依然として車の運転は注意、もしくは危険とされ、ま

た前立腺肥大や緑内障の方、肝臓、腎臓機能が低下している方は慎重に、との薬もあります。 市販薬には、従来の眠

くなる成分が入った花粉症薬もあり、注意が必要です。

花粉症の季節には新聞やテレビで花粉飛散情報が出ていますし、国の環境省のホームページ、はなこさんにも仙台地区

の花粉飛散情報がでています。花粉症の予防は、花粉の飛散の多い日は外出しない、マスクや眼鏡をかける、家に花粉

を入れない、はたき落としてから家に入ることが基本です。

処方された内服薬で眠気やだるさを感じる時は、早めにかかりつけの医師や薬剤師に相談して、つらい季節を安全に乗

り切りましょう。



3割強と5~6割

今シーズンの冬も胃腸炎が流行る時期になってきました。ウイルス性胃腸炎の原因ウイルスはいろいろありますが、ノ

ロウイルスによる胃腸炎が広く知られています。ノロウイルスは感染者の排便、吐物から下水に流れていきます。下水

処理場で処理しきれなかったウイルスが海に流れて行って、2枚貝は大量の海水を取り込んでプランクトンを摂取する

ことから、ウイルスを含んだ海水を取り込むことで蓄積、濃縮されていきます。

そのため、カキなどの2枚貝の生食によって感染しますが、人から人へも感染することから、食べた覚えがなくても学

校、幼稚園などそして家庭内で流行しやすい特徴があります。平成28年の食中毒の件数の3割強がノロウイルスによる

もの、患者数では5~6割を占めており、共に第1位となっていました。潜伏期は数時間から数日(平均1~2日)で、

主な症状は、吐き気、おう吐、下痢、腹痛です。症状の期間は数時間~数日(平均1~2日)と短期間であり、予後は普

通良好ですが、乳幼児や高齢者では吐物による窒息で亡くなってしまうことがあります。

予防としては、感染、発症しやすい小児や体力の落ちた方は、生食を避けるのが無難です。加熱すればウイルスは死滅

することから、食べる際には、中心まで85度以上で、1分以上加熱して食べるようにしましょう。

またノロウイルス感染症の場合、おう吐物や下痢便には、ウイルスが大量に含まれています。おう吐物や下痢便が付着

した衣類やカーペットなどは、乾燥すると空中にウイルスが飛散し感染源となってしまいます。乾く前に早めに対処し

ましょう。以前、ホテルの廊下で、おう吐物の処理がまずかったために、廊下を通った人々に一気に拡がってしまった

事件がありました。片付ける人は、マスクや手袋をしっかりと着用した上で、雑巾・タオル等で吐物・下痢便をふき取

ります。ふき取った雑巾・タオルはビニール袋に入れて密封して捨てます。その後でおう吐物や下痢便の付着した場所

を、薄めた塩素系消毒剤(ハイター、ブリーチなどの家庭用漂白剤では500mlのペットボトルに、キャップ2杯分を入れ

て、その後水で500mlに薄める)で広めに消毒します。ただし間違って飲んでしまう危険がありますから、この消毒剤

の作り置きは控えましょう。汚れた衣類もすぐに洗濯機に入れずに、まず手洗いして汚れを落とした上で、先程作った

薄めの塩素系消毒剤で消毒します。洗濯機に入れるのはその後です。

普通症状は、数日で快方に向かいますが、その間は結構大変です。日ごろから予防し、発症してしまったら周りに拡大

させないように注意していきましょう。



逆流して

年末年始となって、会合が多い時期になりました。遅い時間まで飲食してすぐに寝てしまうと、夜中や翌日には胃が重

かったり、胸焼けを感じることがあります。

胸焼けは、みぞおちの上部や胸骨の下縁付近に違和感やチクチク痛む症状で、背中まで痛むこともあります。胃液は、

強い酸性の胃酸や消化酵素を含んでおり、胃は粘膜で保護されているものの、食道は酸に弱く、胃液が逆流すると傷害

を受けやすくなります。そのため食道下縁に括約筋があって胃液の逆流を抑えているものの、その働きが弱ったり、胃

酸が増えすぎたところに、逆流して食道にしばらくとどまることで、逆流性食道炎がおこってきます。

原因として、脂肪分、タンパク質の取りすぎ、食べすぎ飲みすぎ―消化に時間がかかり、胃酸が増えることで、食道に

逆流しやすくなる加齢―年齢とともに、下部食道括約の動きが悪くなり、唾液の分泌も減りことから、逆流してきた胃

の内容物を胃に押し流しにくくなる腹圧の上昇―しゃがむことが多い、きついジーパン等で腹部を強く締めすぎてい

る、高齢で腰が曲がっているが、あげられます。

予防として、食べすぎ、飲みすぎを控える、食後すぐに横にならない(少なくとも2~3時間は上半身を起こした体

位でいる)、ケーキ等の甘いもの、酸味の強い果物や、揚げ物や海藻、きのこなど消化に時間のかかる食事の摂取量を

減らしましょう。またコーヒーや緑茶等に含まれるカフェインは胃酸の分泌を増やします。アルコールは胃酸の分泌を

増やすとともに、下部食道括約筋を緩めてしまい、そのため胃酸は食道に逆流しやすくなって、傷害しやすくなりま

す。空腹時等で胸焼けが気になるときは、酸を中和するアルカリ性食品(乳製品など)を取りましょう。

ただし胸焼けの症状には、狭心症や食道がんなどの重篤な疾患が隠れていることがあります。症状が長く続く時は、

ただ逆流性食道炎と思って放置せずに、一度はぜひ医療機関に相談しましょう。



食後に

年末が近づき、外食の機会も多い時期になりました。

ただ、食事が終わってしばらくしたら、または就寝中に唇が腫れあがった、赤く発疹が出てきて痒くて仕方がなくなっ

てしまうことがあります。

原因としては、不詳なものもありますが、多いのは小麦、果物、エビ、カニの甲殻類、魚類などがあげられます。果物

では、ある植物の花粉による花粉症で、その反応抗原と近い構造をもつ果物や野菜でもアレルギー反応を起こしてしま

うというものです。例えばカバノキ科(シラカンバ<白樺>、ハンノキ等)の花粉症では、バラ科(リンゴ、西洋ナ

シ、モモ、アーモンド等)、マタタビ科(キウイフルーツ)、ウルシ科(マンゴー)等でもアレルギー反応が起こりう

ることが知られています。

また食事アレルギーの症状は、皮膚、粘膜、呼吸、消化器、循環器、神経に分けられます。

皮膚:赤くなって、蕁麻疹、かゆみ、熱感など

粘膜:結膜充血、かゆみ、涙が流れる、眼瞼が腫れる、口腔、口唇の違和感・腫れ、鼻水、鼻づまり、くしゃみ

呼吸:のどの違和感・かゆみ、声かれ、嚥下困難、喘鳴、呼吸困難

消化器:悪心、吐き気、腹痛、下痢など

循環器:血圧低下、頻脈、徐脈、不整脈など

神経:頭痛、不穏、意識障害など

軽い段階での、限局的な蕁麻疹やのどの違和感、口腔口唇の違和感、腫れから、重篤になっていくと、全身状態に拡

がっていきます。ごく軽度の場合は自然に治まっていくことが多々ありますが、急速に重篤になり命に関わることもあ

ります。楽観的に様子をみて時期を失することなく、早めに医療機関を受診しましょう。



今シーズンは

今年もインフルエンザのシーズンが始まります。去年から今年の冬にかけての昨シーズンでは、例年通り12月からじわ

りと感染が拡がって、1月下旬から2月上旬がピークで春まで続きました。A型では、いわゆる2009年の新型インフルエ

ンザ(パンデミック)型ではなく、2年ぶりにA香港型が流行したとされています。B型では山形で分離された「山形」

系と、オーストラリアで分離された「ビクトリア」系の内、最近は山形系が多かったものの、昨シーズンはビクトリア

系が多かったようです。そのため最近のワクチンには、4種類(A香港、Aパンデミック、B山形、Bビクトリア)の成

分が入れられるようになり、今年も同じ4種類の株でのワクチンです。

昨年は熊本地震のために、一社でワクチン生産ができなくなってしまいました。そのため残りのメーカーでワクチンを

フル増産して、ワクチン不足欠品は結局回避できたものの、例年より生産量は少なく、品薄感が出ました。  

今シーズンは、A型香港株で、ワクチンとして生産効率の高い、有効性の高い株で作ろうとしたものの作成途中で変化し

てしまってうまくいかず、作り直しとなっています。ワクチンは国の検定を受けて効果に合格したものが流通するの

で、接種ワクチンそのものに問題はないものの、昨年よりもワクチン生産量、流通量はさらに減るものと予想されてい

ます。ワクチンは、接種から2週間ほどで効果がでて、2~3か月後にピークが現れ、効果は5か月ほど続くとされていま

す。年明けの1~2月に受験などの大事なイベントがある方は、遡って適切な時期に接種をしましょう。ワクチン不足か

ら接種のできない事態にはならないでしょうが、現時点で年末ぎりぎりにも確保できるかは不明のため、手洗い、マス

ク、うがいなどの予防をした上で、早めの予防接種をお勧めします。

また高齢者の肺炎球菌ワクチンでは、65歳から5歳ごとへの定期接種は来年度までの期間限定で行われています。イン

フルエンザ感染後に起こりえる重篤な肺炎に対するワクチンであり、定期接種以外の任意での70歳以上の接種に対する

仙台市の助成は、今年度で終了となっています。これまで肺炎球菌ワクチン接種をしていない方は、対象年齢かを確認

の上、早めに対応しましょう。



秋の夜長

日暮れが早くなって、いよいよ秋らしくなってきました。今年の夏はあまり熱帯夜がありませんでしたが、秋には夜長

を楽しみたいものです。虫の音を聴いて、眠りにつきますが、高齢の方の睡眠には「眠りが浅い」、「眠りが短い」と

いう特徴があります。会社や仕事からリタイアし、体力を使うことが減るために、日中のエネルギー消費が減って、必

要とする睡眠量も少なくなります。暇だからと、早い時間から寝床にいる一方で、実際の睡眠時間は減ってきます。ま

た眠りも若い頃より浅くなる傾向があります。

高齢の方の不眠対策のコツとしては、「眠くなるまで床に入らない」、「睡眠にメリハリをつける」、「朝日を避け

る」ことがあります。やることがないからと9時頃から床に就いても、うとうとするだけで質のいい睡眠は望めません。

もちろん床に就く前にコーヒーなどカフェインの入った飲み物、パソコンやテレビに見入るのは避けましょう。眠くな

るタイミングが9時頃としても、できるだけ遅い時間まで起きていて、本当に眠くなってから床に就くようにします。

また就寝にメリハリを付けることが重要です。昼寝はできれば避けましょう。どうしても眠い時には昼寝をしても構い

ませんが、夜の睡眠に影響が出ますので、せいぜい20分程度に抑えるようにします。

人間には体内時計があります。もともと体は、朝日を浴びることで覚醒します。朝型の生活をするのであれば朝の外出

がいいのですが、早朝に覚醒してしまうのであれば、朝日を浴びることは避けて、午後、夕方に外出して体内時計を夜

型にしていきます。

これらの対策をとっても眠れない時は、一時的でも睡眠導入剤を利用します。ただ薬の中には、ふらつきや依存性を起

こすものがあります。就寝中のトイレでの転倒、怪我が心配となります。副作用についてかかりつけ医に十分に相談の

上で、睡眠導入剤を利用するようにしましょう。


多くても

最近、健康食品ではポリフェノールを多く含むという広告がみられます。フェノール成分を多く(ポリ)含むという意

味で、ポリフェノールと言われます。

また医療では、ポリファーマシーという言葉が最近いわれています。ファーマシー(薬)が多い(ポリ)という意味

で、「多剤併用」と訳されます。複数の病気があればそれぞれの薬が必要となりますが、単に多くの薬を内服している

という意味だけではなく、ポリファーマシーは、「多剤併用によって薬の有害な状況が起きている状態」という意味で

使われています。薬には、それぞれ期待する効果の他に、多かれ少なかれ副作用をもっています。症状を治すためにあ

る医療機関で薬(A)を出され、その薬の副作用に対して別の医療機関でそれを治す薬(B)をさらに出される「処方

のカスケード(連鎖)」が実際に起きてきているとされています。それぞれの医療機関では、その症状を治すために薬

を出しているのですが、前述のA薬を、その副作用のないC薬に替えることができれば、B薬はいらなくなります。院外

薬局の薬剤師や、処方した医師は薬の副作用、相互作用に極力注意しますが、そのためにも自分の内服している薬の内

容や薬手帳はぜひ持参するようにしましょう。

また「1日3回飲む薬でも昼の分が忘れやすい」、「夜は会合が多くて夕食後に飲む分を忘れてしまって余ってきた」

などがあれば、ぜひ処方している医師に相談しましょう。飲み忘れしにくい飲み方に変更していくか、残薬も調整可能

となります。事情を説明しないために、いつもの量を毎回処方されて、実は薬が大量に余っていたという事態は、期待

している薬効や薬代の面からも避けたいものです。

薬が手元に残っているという点では、自分の薬が合うからと他人に譲るのは、厳に慎んでください。その方の体質、体

調、たまたま今内服している薬との相性はだれも知りません。何か起こった時には、譲渡した方の責任となります。体

調の悪い方が身近にいたら、自分の薬を譲るのではなく、早めの医療機関の受診を勧めましょう。



熱くしても

いよいよ暑くなり、食中毒に注意といわれる季節になりました。冬ではウイルス感染症でノロウイルスでの胃腸炎が多

数みられるのに対して、感染性大腸菌など細菌による胃腸炎はあまり季節を問わないものの、やはり食べ物がいたみや

すい夏に多くみられています。食中毒の予防には「菌をつけない、ふやさない、殺す」のが原則であり、加熱した調理

後は、冷蔵庫や冷凍庫に入れて保存します。食材をよく洗って(菌をつけない)、加熱して(殺す)、増やさない(低

温保存)ことになります。大腸菌などではこの方法で問題ありませんが、生存に適さない環境(高温、乾燥など)に

なると菌体内に芽胞という硬い殻構造物を作って休眠してしまう菌があります。そのため加熱しても完全に死滅させる

ことが困難であり、そして生存に適した環境になると菌が発芽し増殖を再び始めます。その際にエンテロトキシン(毒

素)を出し、下痢や腹痛をひきおこしてきます。その代表格がウエルシュ菌です。

ウエルシュ菌は、酸素を嫌う(嫌気性)菌で、動物の大腸の常在菌であり、河川や海、土壌に広く分布しています。食

肉や魚貝類など、芽胞として多量に付着した食材を口にし、腸内で菌が発芽する際のエンテロトキシンで食中毒症状を

おこしてきます。またカレーやスープ、肉の入った煮汁等を多量につくり、作り置きでそのまま放置すると、ウエル

シュ菌の増殖の最適温度が43~47度と他の菌よりも高く、また増殖スピードも速いために、その温度帯で急激に増えて

きます。煮沸しているために酸素が少なく(嫌気性)で、ほかの菌は死滅しているので、ウエルシュ菌としてはかっ

こうの増殖環境となっています。カレーや煮物は作った日より翌日の方が美味しいという話もあります。しかし作り置

きする時は大きな鍋でゆっくり冷やす(菌の増殖の最適温度時間が長くなる)よりは、小さな容器に小分けにして、一

気に冷やしましょう。

ウエルシュ菌食中毒の潜伏時間は6~18時間(だいたい半日)、主要症状は腹痛と下痢で、嘔吐、発熱は少なく、1~2

日で治まってきます。「加熱して殺菌したはずだから大丈夫」、「食べる前に加熱すれば安全」、を過信せずに作り置

きする際には注意しましょう。



石があったら

新年度となって、ドックや検診がまた始まりますが、腹部エコーで胆石(胆のう結石)を指摘されることがあります。

胆石ができる危険因子として、年齢(50~60歳代に多い)、肥満、家族歴が挙げられてきました。食習慣としては、一

日の食事カロリー摂取の過剰、糖質や炭水化物(ご飯やパンなど)、動物性脂肪のとり過ぎ、運動量の少ない生活、過

剰なダイエットでの急な体重減少などがリスクとして報告されています。胆石は明らかに白人(欧米人で胆石保有率が2

0%程度)が、アジア人種(日本人で5%程度)よりも多く、脂質異常(特に中性脂肪が高い)や非アルコール性(飲酒

によらない)脂肪肝の方に多いとされています。

一方、リスクを下げる因子としては適度な運動、野菜、食物繊維、果物、豆類などの植物性蛋白、適量の飲酒などが挙

げられています。

なお胆石が見つかっても、すぐに手術する必要はありません。胆石の方が、胆のうがんになりやすいというデータはま

だありません。ただ胆のうがんから見れば、胆石を持っていた方が多いというのは事実であり、胆石は危険因子です。

もしこれまで胆石での腹痛などの症状がなければ、まずは年1~2回の超音波検査での経過観察をお勧めします。ただ

今後腹痛を起こす危険性が高い人としては、小さな石がたくさんある人、胆のう管(胆のうと胆管をつなぐ管)に石が

詰まっている人、若い人、胆のうの働きがなくなっている人があげられます。

そのために、今後痛みをおこすリスクが高い人や、胆のうの壁が厚くなってしまい、がんとの区別が難しい人、多くの

石で胆のうの壁が観察しにくい人は注意が必要です。手術も含めて今後の方針、治療については、専門医との相談をお

勧めします。



腰が-

春になって、公園の散歩や野山のハイキングにはいい季節となりました。し

かしその時に腰が痛くて歩けないとなっては、非常に残念です。

単に「腰が痛い」でも、いろいろな病気が隠されていることがあります。

まず、安静にしている時には痛くないのに、体を動かしたときだけその場所

の腰が痛い時には、背骨の関節や周囲の筋肉が原因と考えられます。いわゆ

る「ぎっくり腰」などがそれに含まれ、従って何日間はつらいですが、しば

らくすると治ってきます。一方腰だけではなく、お尻や太ももの背中側まで

に痛みやしびれが拡がるとなると違ってきます。腰の部分の背骨(腰椎)の

神経が原因であり、そのためにその神経が走行しているお尻や太ももにも痛みが拡がることに

ります。腰椎を通る神経への周囲からの圧迫(脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなど)が原因と考え

られます。したがって腰椎が原因であって、しびれや痛みを感じる太ももやお尻に湿布を貼った

り、マッサージをしても治療にはなりません。

また、中高年になってから腰が曲がってきて痛む時は、椎骨がつぶれた圧迫骨折が原因になって

いる可能性があります。特に閉経後の女性の方には起こりやすいので注意が必要です。

さらにこれらに対して、安静時でも腰が痛むとなると、それは油断ができない腰痛となります。

頻度は少ないですが悪性腫瘍の骨転移や脊椎炎などが入ってきます。悪性腫瘍の原発部位に気づ

く前に、骨転移した腰痛で悪性腫瘍の存在に気づくことがあります。放置することなく早めに整

形外科を受診しましょう。

また内臓疾患から腰痛が起こることがあります。突然の腰痛では尿路結石や腎盂腎炎が挙げられ

ます。また子宮内膜症や大きな子宮筋腫、腰からやや胸に近い場所では慢性膵炎、十二指腸潰瘍

でもおこります。腰痛でもいろいろな原因があります。気になるときは早めにかかりつけ医や整

形外科に相談してみましょう。