クリニック案内

○各種健康保険取扱い
○駐車場あり(12台完備)
原則院内処方

医院名
内科萱場クリニック
院長
萱場 佳郎
住所
〒983-0803
宮城県仙台市宮城野区小田原1-5-32
診療時間
8:30~12:00、14:30~18:00
※土曜日は9:00~12:30までの診療
水曜・土曜午後、日曜、祝日休診
電話番号
022-256-5101
連携病院
  • 東北大学病院
  • 宮城県立がんセンター
  • 仙台医療センター
  • 仙台オープン病院
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  • 東北公済病院
  • 仙台厚生病院
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  • JCHO仙台病院 
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トピック

腎臓のため

新年度になると、今年も住民健診や会社の定期健康診断が始まります。仙台市では、国民健康保険に加入している40~74歳までの方の特定健診が例年通り6月から、75歳以上や35歳~39歳の方の基礎健診が7月から始まります。この特定健診の目的はメタボ健診であり、動脈硬化による将来の腎不全、脳卒中、心筋梗塞といった血管疾患の予防を目的としています。

仙台市のデータでは、仙台市健診でのメタボ該当は約23%と、他の政令指定都市や全国の割合約20%を上回っています。また勤労世代の肥満の割合は男性で約30%、女性19%とされています。さらに1~2か月前の血糖の平均であるHbA1c(6.5%以上で糖尿病の疑い)6.5%以上の割合は、男性で約16%、女性で約8%となっています。仙台市での透析患者数は令和3年で約2550人と、近年ほぼ右肩上がりに増加してきており、そのためメタボが原因での将来の透析者数を減らすべく、病院の腎臓専門医との連携事業が始まっています。

動脈硬化、腎機能低下のため透析導入に至る予防策として、昨年までは太白区、若林区をモデル区として始まっていたのが、令和6年度から全市的に始まります。健診の結果で人工透析に至るリスクの高い方に対して、早期に腎臓専門医のいる病院に紹介して、予防への道筋をつけようとするものです。特定健診の採血には、腎機能を見るための項目(クレアチニン)があります。クレアチニンは、不要な成分が腎臓でろ過されないでどれだけ残っているかを見る項目です。加齢とともに低下していきますが、年齢の割には既に低下しすぎている場合、尿に蛋白、潜血がみられる時は、将来の腎機能低下が予想されてきます。その将来の腎機能低下による透析へのリスクが予想される場合は、腎臓専門医への紹介、受診が勧められます。

特定健診対象年齢の方の健診申し込みは不要ですが、75歳以上の方など基礎健診対象の方は自分での申し込みが必要です。仙台市政便り4月号か、市のホームページからぜひ申し込みをしましょう。また高血圧、糖尿病、高コレステロール等による治療中で、腎機能が気になる方は、ぜひかかりつけ医に相談してみましょう。

今シーズンでは

立春が過ぎて、今年もスギ花粉に悩まされる季節がやってきました。スギ花粉の飛散数は、前年のスギの雄花が作られる6~7月の気象が影響を与えるとされています。昨年は、暑さが10月まで続いた思いがありましたが、今年の仙台での飛散は2月下旬から始まり、昨年よりは少ないものの、例年よりはやや多いと予想されています。スギ花粉の飛散開始時期は、以前は3月上旬からが多かったのが、今回は早まってくるようです。毎年症状が出ている方は、早めに対応していきましょう。

スギ花粉症状がある有病率は、10年で10ポイントずつ増えているとされ、最近は50%近くの方が症状をもっているとされています。一方で新型コロナウイルスは、依然としてインフルエンザと共に流行していますが、花粉症では、発熱や息苦しさはなく、目や鼻が痒くなったり、それらによって感染症とは区別されます。

花粉症の治療には、まず抗ヒスタミン薬を内服しますが、飛散の始まる前から内服を始めた方が症状を抑え込めると、されています。これまでも悩まされた方は、早めに内服を始めましょう。さらに内服しても症状がある時には、点眼薬や点鼻薬を使うことになります。ただ内服薬には、眠気をおこすもの、気づかないうちに仕事の能率を落としてしまうものがありますから、内服の時は、まず医療機関に相談してみましょう。

花粉症の予防は、まずは体に花粉を近づけないことであり、毛織の上着は花粉が付着しやすいとされています。仙台ではまだ寒いために、毛織のコートを着ることが多いかもしれませんが、帰宅したらコートや髪から花粉を払い落としてから家に入りましょう。また飛散予報をみて花粉の飛散の多い日は出かけない、マスクや眼鏡をかけるようにします。スギの飛散時期は約2カ月、桜が散る頃までで、せいぜい4月いっぱいです。毎年スギ花粉でつらい思いをする時は、来シーズンの症状を抑え込む舌下免疫療法も始まっています。毎年つらい症状が出る方は、かかりつけ医師や薬剤師に相談してみましょう。

寒さで

立春を過ぎても、まだまだ寒くて春が待ち遠しくなります。寒さで血管は収縮することで、脳出血、くも膜下出血の多い時期となります。脳卒中のなかでも、脳梗塞は脱水による夏、血圧による冬と季節を問わずに起こりえますが、2割を占める脳出血は冬に多いとされています。

 背景には脳血管に動脈硬化が起こっているところに、さらに血圧の大きな変動のために血管が破綻しておこります。脳出血では出血で血の塊ができた上に、頭蓋骨内の決まった容積の中でおこることから、本来の脳組織そのものを圧迫することになります。そのため意識がなくなったり、手足のまひや言語障害、認知機能の低下が現れます。またくも膜下出血では、激しい頭痛や意識障害が現れます。これらは早急に手術して血の塊を除去するなどの処置をすれば、後遺症も軽く済みますが、多くは半身不随や意識障害、認知症や寝たきりになったり、不幸な結果につながることが多いとされています。

 脳出血やくも膜下出血の原因としては、血管が破れる高い血圧が最大の要因であり、他には動脈硬化を進める喫煙や大量の飲酒があげられています。また血圧が高くなる最大の要因は、食塩の摂りすぎです。日ごろの食事の中で、洋食は脂質が多いのに対して、麺のスープ、漬物、魚肉の練り製品といった和食、一般に濃い味付けの外食やコンビニ弁当では、食塩をとる量が増えがちです。薄味でとるようにし、食塩は1日6g以下と提唱とされていますが、普段どれくらいの塩分を摂取しているかは、尿から測定することができます。血圧が高めの方は、かかりつけ医に相談してみましょう。予防のための食事には、ナトリウムの排出を促す果物、野菜、大豆等の豆製品があります。意識してとるようにしましょう。また軽く汗を流して血流をよくするジョキング、ウォーキングなどの有酸素運動も効果的です。

 最近の国の統計では、脳卒中(脳血管疾患)は、死亡原因の4位ですが、寝たきり状態で高介護となる原因としては、1位とされています。普段から脳卒中にならないように注意したいものです。発症後の治療は、時間との勝負です。腕が上がらない、顔がゆがむ、しゃべられない、周りからみて意識がおかしいといった症状の他に、これまで経験したことのないような激しい頭痛があった時は、速やかに脳の専門医療機関を受診しましょう。


今年の年末年始は

新型コロナ感染は5類となって、今年の年末年始は久しぶりに夜の飲食の機会も増えるかと思います。ただ遅くまで食事をすると、夜中や翌日には胃が重かったり、胸焼けを感じることがあります。

胸焼けは、みぞおちや胸骨の下縁付近が焼けるようなチクチクと痛む症状で、背中までも痛むこともあります。食道は酸に弱く、胃液が逆流すると傷害を受けやすくなります。短時間の逆流であれば、問題ありませんが、長時間であると炎症(逆流性食道炎)を起こしてきます。この病気は成人の1020%はかかっているとされ、中高年、特に高齢の方に多いとされています。みぞおちや背中の痛みの他にも、寝ると口の中に酸っぱい水が上がってくる、のどの違和感、声のかすれ、心臓や肺に問題がないのに慢性の咳が続くことがあります。そのため声のかすれから耳鼻科を受診して、逆流性食道炎を指摘されることもあります。胃と食道の境には括約筋があって普通は胃液の逆流を抑えているものの、その括約機能が弱って胃の内容物が上がりやすくなったり、空腹時に胃酸分泌が増えすぎたところで、炎症がおこってきます。

逆流性食道炎の発生原因としては、

1.  消化に時間がかかって、胃酸分泌が増える脂肪分、タンパク質の摂りすぎ、アルコール、炭酸飲料の飲みすぎ

2.  腹圧が上昇する原因である、肥満、ベルトやコルセットで腹部を強く締めすぎる、食後にしゃがむことが多い、腰が曲がっている

3.  飲食後にすぐ寝る習慣

などが、あげられます。

 予防として、食後すぐに横にならない(少なくとも2~3時間は上半身を起こしていて眠い時はリクライニング椅子を利用する)、普段から腹八分目の飲食をする、炭酸飲料やアルコール、グレープフルーツジュースなど酸性の強い飲み物を控える、揚げ物や脂っこい食事、海藻、きのこなど消化に時間のかかる食事は、特に就寝前は減らします。もし夕食前等空腹時に胸焼けが気になる時は、胃酸を薄めるために、酸を中和するアルカリ性食品(牛乳、ヨーグルトなど)がおすすめです。

ただ注意は、狭心症や食道がんなどの疾患でも、胸焼けの症状が出てくることがあります。症状が長く続く時は、一度はかかりつけ医に相談しましょう。

 

年末年始に

今年も年末が近づいてきました。昨年までとは違って、会合や飲酒の機会も増えるかと思われますが、節度ある適度な飲酒で楽しみたいものです。

適度の飲酒とは、依存症や内臓障害に至らない量であり、一日平均で純アルコール量20g程度とされています。純アルコール量は飲酒量(ml)?アルコール度数(%)?0.8(アルコール比重)から計算され、ビールでは500ml、日本酒1合、ワイン250ml、7%酎ハイ350ml1缶程度となります。ただし高齢者、女性、アルコールに弱い方は、さらに少ない量が推奨されています。過剰なアルコール摂取は、脳、心血管、肝臓など多岐にわたる臓器への障害が知られています。特に肝臓には負担がかかることから、一時的に過剰にとってしまった場合や、連日晩酌をしている場合は、飲酒をしない休肝日を週2日程度設けましょう。

そして連日の多量の飲酒が続けば肝臓に負荷がかかり、将来アルコールが原因の肝硬変症や肝臓がんへの移行が知られています。アルコールの分解には肝臓での分解酵素の働きが必要であり、日本人の4割はその酵素をあまり多く持っていない(それほど酒に強くない)、4%はほとんど持っていない(酒を飲むと具合が悪くなる、飲めない)とされています。そのためそれらの方は、過剰のアルコールによる肝疾患にはまずなりません。ただその分甘いものをとりすぎたり、運動不足があると、同じように肝臓に中性脂肪が蓄積されて、進行すると脂肪肝による肝機能障害が知られています。日本人の成人の20~30%には脂肪肝があるとされており、以前は減量、運動をしていればいいとされていました。ただ最近は飲酒が原因と同様に、肝硬変や肝臓がんに至ってしまう場合があることが知られてきました。その基礎には過度の肥満や糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドロームがある場合とされています。今年夏には、特定健診、基礎健診といったメタボの健診がありましたが、肥満や糖尿病、肝機能障害を指摘された方は、かかりつけ医と相談の上で、ぜひ対処していきましょう。

食欲の秋には

最近は日没も早くなり、いよいよ秋らしくなってきました。秋は新米、果物、鍋料理などの食欲の秋であり、食材の香りや味を楽しむ味覚の秋でもあります。

最近の新型コロナウイルス感染では、感染力は強いものの、予防接種の効果もあって重症に至ることは減ってきました。ただ感染後に、さまざまな後遺症がみられています。その中でも、嗅覚障害や味覚障害が知られており、せっかくの食材でも香りや味がわからないために、食事が楽しめなくなってしまいます。

一方、新型コロナウイルスに感染しなくても、味覚が異常となることがあり、それは最近増加傾向にあるとされています。舌の表面には、味を感じるセンサーとなる味蕾があり、その情報が脳にうまく届かないと味覚障害となります。その原因としては、加齢によるもの、うつやストレスでのメンタルの不調、新型コロナや風邪の感染後、内服している薬剤の副作用が知られています。ただ味覚障害の原因の半数以上が、亜鉛不足によるとされます。亜鉛は全身の細胞内にあり、体の免疫システムや遺伝物質の合成、創傷治癒、乳幼児の成長、嗅覚、味覚に必要とされます。亜鉛不足は、偏った食事や、糖尿病や肝臓、腎臓など内臓の病気でもおこることがあり、味覚障害の他、慢性下痢、皮膚炎、食欲不振がみられてきます。国の日本食品標準成分表によると、亜鉛は、食材ではカキなどの貝類、豚レバー、牛肉の赤身、豆類などに多く含まれています。食べられる量100gあたりでみた亜鉛含有量は、精白米1.4mg、小麦やパンは1mg未満に対して、生カキ14mgしじみ2.3mg豚レバー6.9mg牛肩赤肉5.7mg大豆3.9mささげ4.9mg生ほや5.3mgなどと多く含まれています。それらの食材をいちどに大量に食べられるかは別として、味覚に不安のある方は普段から摂るように心がけましょう。また亜鉛の血中濃度は測定ができることから、症状があって不安な方はかかりつけ医に相談してみましょう。


7回目

新型コロナ感染は5類に変わって生活様式も緩和されてきましたが、感染者数は増加傾向にあります。その中で9月20日から7回目のワクチ接種が始まり、今回のワクチンは、XBB.1.5に対する1種類(1価)のワクチンとなります。今年春から9月19日までは同じオミクロン対応でBA4/5の2価であり、異なったタイプのワクチンでした。現在、感染の主流はXBBに変化してきています。新型コロナウイルスは、以前のアルファ株、デルタ株等からオミクロン株に変異しており、そこからBA14/5に変異していった系統と、XBBに変異していった系統に分かれていきました。そのためBA4/5のワクチンをしても、XBBに対する免疫はそれほど上昇しないとされています。

今回のワクチンの目的も、重症化、入院予防となります。XBBタイプは、これまでのタイプよりも、さらに免疫防御をくぐり抜けやすく、感染力も強くなっています。9月からの接種対象は生後6か月以上のすべての方ですが、高齢者、基礎疾患があって重症化しやすい方は、特に接種が勧められています。来年春までに接種は1回の予定であり、今年度までが接種費用負担なしとなっています。次回8回目は来春以降となり、またワクチンでの免疫能は半年程度で低下することから、今年春に接種をした方は、年内での接種が望ましいかもしれません。また今回は、季節性インフルエンザの予防接種時期と重なっています。通常ワクチンは、新型コロナワクチン接種とは、少なくとも2週間はずらすことになっています。しかし季節性インフルエンザだけは、新型コロナワクチンと同日接種が可能となっています。ただ、それぞれ肩と肘の上付近への接種であり、副反応を考えれば少なくとも2~3日はずらした方が、現実的かもしれません。

今回も接種は、これまでに仙台市から送られてきた接種券を使って行います。市外からの転入の方や接種券の紛失などについては、仙台市ワクチン接種専用コールセンター(電話0120-39-5670)にお問い合わせください。

涼しくなったら

立秋が過ぎてもまだ暑いですが、真夏日は減ってなんとか過ごしやすくなってきました。5月から新型コロナが5類に移行したものの、戸外での動がしにくかったこともあって、今年度の健診では、腹囲長が伸び、体重増になった方が多いようです。

 メタボリック症候群の改善、内臓脂肪の減少を目指すためには、食事では揚げ物、肉の脂身、ケーキ等の脂質や、ジュース、果物、菓子、ご飯

もの等の炭水化物、カロリーとしての飲酒量を減らすこと、就寝直前には飲食しないことが重要となります。これらを実践したうえで、脂肪を燃

させるために運動をしていくことになりますが、有酸素運動(呼吸をしながらの運動)では、種類や強度の違いでの効果の差は認められていま

せん。ただ摂取したカロリーを消費するという目的であれば、ゆっくりとした散歩では、時間あたりの消費カロリーは当然少なく、目標とするカ

ロリーを消費するためには、運動する時間を長く要することになります。一方でもし短距離を高速で走るとすれば、時間当たりの消費カロリーは

伸びますが、長続きする運動ではありません。ウォーキングやジョキング、水泳、自転車でもエネルギー消費を高めるように実践することが重要

です。習慣として長期間に行って、苦痛に感じないレベルであれば、ややきついかなといった中程度の負荷を、一回20分程、週3回程度をめど

にかけることになります。普段から、2階、3階へはできるだけ階段で上る、近い距離は車を使わずにやや早歩きをするようにします。ただ心疾

患、血圧など何らかの病気で治療中の方は、かかりつけ医に相談してから行うようにしましょう。

腹囲を1cm減らすとすれば、体重約1㎏の減量が必要となります。急激な減量は難しいとしても、標準体重(身長╳身長╳22÷10000)を目指して、毎晩風呂上りに体重を量る習慣をつけるなどをやってみましょう。

夏では

  梅雨が明ければ暑い夏がやってきます。冬には、寒さで血管が収縮することで脳出血やくも膜下出血が多いとされています。一方夏では、寒さ

 で血圧が一気に上昇することはないものの、大量の汗をかくことで脱水になりやすく、逆に血圧が下がって、血液がどろどろになって詰まりやす

 く(梗塞)なります。特に就寝中は水分を取れないことから、梅雨明けから8月、夜間から起床後2時間に脳梗塞が多いとされています

 夏には、

1)脳の細い血管に動脈硬化がおこって詰まる。高血圧の人に多く、初めは症状が出にくいものの、多発してくると認知症のリスクが出てくるタ

  イプ(ラクナ梗塞)。

2)脳の太い血管にコレステロールの塊が付いて、そこに血液が固まって血管を塞いでしまう。太い血管のために広範囲の脳が障害を受け、半身

不随や意識障害等の重い後遺症を残しやすいタイプ(アテローム血栓性脳梗塞)

が多いとされ、予防するには、脱水状態に水分を補う意味から、就寝前や起床時に水を飲むようにしましょう。また発病には加齢や生活習慣が関

わっています。現在特定健診、基礎健診を行っていますが、脳梗塞の危険因子として、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常が上げられます。予防と

して、動脈硬化を抑えるために、禁煙し、食べすぎ、多量の飲酒を控え、寝不足・肥満を避けて、適度の運動を心がけるなど、生活習慣の改善が

大変重要です。 

 脳梗塞の発症は、「FAST」(早く)で表されます。F(Face)顔がゆがむ、A(Arm)両腕を前に伸ばしても片方の腕が下がってしまう、ねじ

れる、S(Speech)うまく話せないといった症状が突然現れます。その時はT(Time)時間との勝負です。発症後4時間半以内に治療が開始され

ると、大きな後遺症を残さずに済むことがあります。救急車を呼んで急いで脳の専門医療機関を受診してください。


今年度から

  新型コロナウイルス感染は5類移行になって、生活状況もやや変わってきました。ただ新型コロナウイルスは消滅したわけでもなく、22-23年の

 冬には、インフルエンザの流行もみられました。これらの感染では気道の粘膜細胞を強く傷害するために、その後で二次性の細菌性肺炎をおこし

 やくなります。その中でも、最も多いのが肺炎球菌によるものです。肺炎球菌は、高齢者の3~5%は健康時でも鼻やのどの奥にいるとされ、飛

 沫を介して感染していきます。通常は抗生物質で治療しますが、効かない肺炎球菌が増えてきています。重篤になれば、肺炎や菌血症、髄膜炎を

 起こして死亡原因となっていきます。現実に高齢者の方の年代別死亡原因の1位、2位はがんや脳心疾患ではなく、肺炎です。そのため免疫をつ

 けておく目的で肺炎球菌の予防接種が始まり、平成26年10月1日からは定期接種として行われています。

 現在インフルエンザワクチンは、A型、B型の4種類の株(4価)でできており、新型コロナワクチンのオミクロン株対応はBA4/5の2価ワクチン

です。一方肺炎球菌の株は、現在100種類程度あり、そのうちワクチンでは23種類対応(23価)で行われています。この23種類で成人の重症肺炎

球菌症の7割を占めるといわれています。23価ワクチン(PPV23、Ⓡニューモバックス)は、65歳以上で70歳、75歳、80歳…と5歳ごとに、これま

では公的助成を受けて接種が進められていました。ただ、この助成は今年度が最後で、来年度からは65歳の方だけに絞られる予定です。これまで

接種していない方で、65歳以上で今年度に5歳ごとの区切りの年齢になる方は、是非接種しておきましょう。

 また高齢者の肺炎球菌ワクチンには、その後2014年に13価(PCV13)、2022年に15価(PCV15)ワクチンが出てきました。これらのワクチン

は、23価ワクチンと異なった機序での免疫効果があるとされ、23価ワクチンは次第に効果が低下していくのに対して、13(15)価ワクチンはしば

らく効果が続くとされています。さらに23価ワクチンと時期をずらして接種すると、免疫機能のさらなる増強(ブースター効果)が認められてい

ます。そのため呼吸器、感染症の専門学会では、23価ワクチンと13(15)価ワクチンで、時期をずらしての接種を勧めています。今年度助成のあ

る年齢の方は、年度内に23価ワクチンの接種を、そうでない方や、すでに接種済の方も心配であればかかりつけ医に相談してみましょう。


腎臓の能力

 年度が替わって、職場や地域ではそろそろ健診が始まります。仙台市でも例年通り特定健診、基礎健診がそれぞれ6月、7月から始まります。

れらの健診は、将来のメタボリックシンドロームへの予防、高齢になっての筋力の衰えからくるフレイル(健康な状態と要介護状態の間で、身体

機能や認知機能が低下した状態)の予防を目的としています。

 それらの項目には、将来の腎機能低下予防からクレアチニン、eGFR(推算糸球体ろ過量)、尿蛋白の項目があります。肝臓で作られたクレアチ

ンが、筋肉収縮の際にクレアチニンとなり、それが腎臓から排出されます。その排出されないで血液中にいくら残っているかを見ているのが、

「クレアチニン」値です。値が低いほど腎機能(排出能)は良いことになりますが、体格で筋肉量が多いほど、また急な運動すると高い傾向にな

ります。逆に長期にわたって臥床が続くような病気で筋肉量が落ちたり、悪性疾患で体力消耗が著しい際はクレアチニン値が低下して、腎機能そ

のものは良くなったように見えることがあります。

  またeGFR」は、腎臓での血液ろ過量(尿を作る能力)を、クレアチニン値、性別、年齢から標準の体型(筋肉量)で計算しています。健診で

 は60ml/分以上を基準としていますが、当然体型の違い(大柄の筋肉質や小柄のやせ型など)では異なってきますし、年齢でも変わってきます

(若い人は100ml/程度あり、高齢ほど低下していきます)。ただ若いうちから既に低い場合には、将来eGFRがさらに低下すると透析になりかね 

 ないために、注意が必要です。

 項目での「尿蛋白」が陽性の場合は、現在腎臓に負担がかかっている、将来の腎機能低下に進む危険ともとられます。そのリスク因子として

は、健診の項目にある、動脈硬化を進める要因の肥満、高血圧、LDLコレステロール高値、高尿酸、高血糖、年齢が挙げられます。さらに喫煙、

塩分の取りすぎ、腎機能に負担をかける内服薬(鎮痛剤など)、腎炎の有無にも注意が必要です。

  eGFRが思ったより低い、尿蛋白陽性で不安に思ったら、健診の結果説明の際にかかりつけ医にぜひ相談してみましょう。


6回目

 今年5月には、ようやく新型コロナ感染は5類感染(全数把握ではなくインフルエンザ感染のように決められた医療機関での数の把握)に変わり

すが、連休明けには6回目のワクチン接種が始まります。

 今年度の新型コロナワクチン接種は、12歳以上すべての方に対して秋から冬(9~12月)に行います。ただワクチンでの免疫能は半年程度で低

下することが分かったため、重症化リスクが高いとされる方にはその前、春~夏(5月8日~8月)にもやっておこうというものです。春の対象

は前回のオミクロン株対応ワクチン接種から3か月以上経って、初回接種(1・2回目)は終わっている方の内、65歳以上の方と、12~64歳で

基礎疾患のある方となります。基礎疾患としては当初のワクチン接種での対象と同じで、①気管支喘息、肺気腫などの呼吸器疾患、②高血圧も含

む心筋梗塞、狭心症などの心臓疾患、③人工透析中などの慢性腎臓病、④肝硬変などの慢性肝臓病、⑤糖尿病治療中、⑥鉄欠乏性貧血を除く血液

疾患、⑦免疫機能が低下する疾患、⑧抗ガン剤、免疫抑制剤での治療中、⑨睡眠時無呼吸症候群、⑩BMI(体重÷身長÷身長÷10000)が30以上の

肥満などが挙げられています。そのためこの中には、痛風などの高尿酸値、高コレステロール血症、胃炎や逆流性食道炎などは含まれていませ

ん。今年秋以降に使われるワクチンの種類はまだ決まっていませんが、春に使われるワクチンは主に昨年度と同じオミクロン対応となります。そ

のため接種後の副反応としては、前回とほぼ同様と考えられます。

 ただ接種直後の急激な体調変化、アナフィラキシーショックについては今回も絶対ないとはいえません。前回までと異なるメーカーのワクチン

接種もあり得ることから、今回も接種から15~30分は体調の変化に注意が必要です。また接種はこれまでと同様、自治体から送られてくる接種券

を使って行います。市外からの引っ越しや接種券の紛失などについては、仙台市ワクチン接種専用コールセンター(電話0120-39-5670)や仙台

市ホームページ(接種券発行をご希望の方へ)にお問い合わせください。


4月から


 4月からは、新年度の検診がまた始まります。

 胃がん検診は、従来はバリウムを使ったX線透視での検診のみでしたが、2016年から、内視鏡検診も選べるようになりました。胃がんの原因と

して、ヘリコバクターピロリ感染が知られていますが、若い方の感染が減っています。ピロリ菌の感染率は50歳以上で40~60%なのが、10~20

歳台では10%程度と、欧米並みとなっていて、胃がんの発症も減っています。理由として、戦前戦後に井戸水などの生水を飲むことで感染して、

さらに親から子に口移しで食べさせて感染していたのが、生活様式の変化でそれらが減ったことが挙げられています。

 仙台市の胃がん検診でも、現在は内視鏡検診とバリウムでのX線検診を選べるようになっています。ただバリウムでの検診対象が、年度末時点

で35歳以上の方であるのに対して、内視鏡検査は50歳以上となっています。また受診間隔がX線検診が毎年であるのに対して、内視鏡検診では2

年に一回となっています。そのため50歳以上の方で令和4年度に内視鏡検診を受ければ、5年度は検診は受けられない、4年度にX線検診を受けた

方は、5年度には内視鏡でもX線検診でもどちらか受けられることになります。

 内視鏡検診の場合は、写真は検診直後と、宮城県対がん協会での2重チェックで診断され、最終報告は仙台市から届くために、結果がわかるのは

1~2ヶ月後となります。また胃がんを見つけるための検診ですから、基本的に検査は、写真を撮って診断することであり、検査結果から当日に

薬の処方や、ピロリ菌検査を行うことはありません。検査では喉の麻酔は行いますが、検査が心配、怖いとの理由での鎮静剤は使えません。また

胃がんの治療後や、胃潰瘍での治療中の方は、これまでの写真と比較しながらの検査が重要であり、検診での内視鏡検査はお勧めできません。か

かりつけの医療機関での内視鏡検査を受けましょう。

 胃がん検診の申し込みは、4月初めの市政便りに載っています。これまで胃の検査をされたことのない方は、ぜひ一度は検査しておきましょう


今年も



 立春が過ぎて、新型コロナ感染第8波の感染者数はやや減少傾向にありますが、まだ収束には至っていない状況です。今年もまたスギ花粉に悩ま

される季節がやってきました。2019年の全国調査では、国民のほぼ3人に1人がスギ花粉症と推定されています。また昨年の6~8月の最高気温、日

射量、これらと前年との比較から分析されると、昨年スギ花粉の飛散量は例年より少なかったものの、今年仙台では例年よりも逆に多いと予想され

ています。飛散の開始時期は2月下旬からですが、症状の出る方は昨年よりは強く出るかもしれません。昨年でさえ症状が出ていた方は、早めに対

応していきましょう。今年はインフルエンザの流行もみられ、さらに新型コロナの感染流行が重なっています。ただ花粉症では、目の痒みを伴うこ

とが多く、のどの痒みはあっても、のどのひどい痛みや高熱は出ないことから、体温の変化や症状の違いには注意していきましょう。

 スギ花粉症の予防は、花粉を近づけないことであり、飛散の多い日は外出しない、マスクや眼鏡をかける、帰宅したら髪や上着から花粉を払い落

としてから家に入ることが基本です。新型コロナ感染予防でもマスクをつけているものの、マスクをすることで、マスクをしない場合よりも7割の

花粉を減らせるとの結果がでています。また普段は裸眼やコンタクトレンズをしていても、花粉飛散時は眼鏡にするだけで、目に入る花粉は4割減

らせるとされています。仙台でのスギ花粉の飛散時期には、まだ雪が降ったりして寒いですが、外出の際ウール製の上着、セーターは、化学繊維や

木綿の上着よりも花粉が格段に付着しやすいとされています。外出時には着るのを避けるか、家に入る前に入念に落としてから入るようにしましょ

う。

 花粉症の治療には、まず抗ヒスタミン薬を飲みます。内服は、飛散の始まる前の1~2月から始めた方が症状を抑え込めるとされています。抗ヒス

タミン薬は、現在は眠気の起こりにくい第二世代の製品が主流です。ただその第二世代でも眠気を引き起こすもの、自動車運転、危険作業を避ける

必要がある薬があります。そのような薬は、内服してもなんら変わらないと思っていても、単に自分が気づかないだけで、試験をすると集中力、作

業効率が明らかに低下するという現象がみられています。

 スギ花粉症の季節は約2ヵ月、処方された薬で眠気やだるさを感じる、不調の時は、かかりつけ医師や薬剤師に相談して辛い季節を安全に乗り切

りましょう。



温度差で


 年が明けて、大寒から立春へと暦が移っても寒さはいよいよ厳しくなり、春が待ち遠しくなります。新型コロナウイルス感染予防での外出自粛は

緩和されてきましたが、寒い夜には入浴で温まるのが楽しみです。

 ただ入浴中の事故は冬に多いとされ、年間の80%が11月から4月の間に発生しているとされています。入浴の前後には血圧が大幅に変動します。

冬に暖房の効いた温かい部屋では、血管は拡張していて血圧はあまり変化していません。ましてや飲酒中には顔が赤くなるように、血管が拡張して

血圧は下がっています。ただその後でトイレや入浴のために室外に出ると、寒さで血管は収縮して血圧は上がることになります。浴室とトイレは家

の北側にあることが多くて、比較的寒く脱衣中に血圧は急に上がります。その後お湯に入ると血管は広がって今度血圧は急激に下がり、浴室から出

ると血圧はまた上がるといった変動がおこります。その血圧の変動は心臓に負担をかけて(ヒートショック)、心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中につなが

りかねません。特に高血圧や糖尿病、脂質異常、肥満、心臓病等の持病のある方、高齢の方は注意です。高齢になると血圧の変動が生じやすくな

り、体温を維持する機能も低下することから、ヒートショックの受けやすいと考えられています。65歳以上の方は特に注意が必要です。高齢者の浴

槽内での不慮の溺死、溺水は年齢と共に増加していきます。またトイレでも同じことが起こります。寒い思いをしながらトイレに入って便秘でりき

むと、温かい部屋での血圧は大きく変動して、失神や脳卒中に至ることがあります。

 予防としては、食後すぐの入浴、飲酒後アルコールが抜けていない状態での入浴は控える、居間だけではなくて、脱衣室、トイレも暖める、浴室

も暖房をつけるか、もしくは給湯時に湯舟の蓋をあけておいて湯気を使って暖めておきましょう。入浴は41度以下のぬるめの湯に入り、湯舟につか

るのは10分程度として、熱めの湯、長湯を避ける、高血圧や心臓病等のある方は肩まで湯に入らずに、胸付近でとどめる、深夜に一人で入浴するこ

とを避けて、周りの方も声を掛け合うようにします。また便秘気味の方はりきまないでも済むように、便を緩くする薬を普段から内服するようにし

ましょう。これらに注意して、入浴中やトイレでの不慮の事故は、未然に防げるようにしたいものです。



寒さで


 新型コロナウイルス感染も第8波となって、なかなか収束の兆しが見えません。

 寒さはこれからが本番で、年明けにはさらに積雪での雪かきや、戸外での活動が増えていきます。また屋内でも、トイレや脱衣場はますます冷え

て、体には負担がかかってきます。寒い場所では体温が奪われないように、体表の血管は収縮します。一方雪かきや、登り坂、長い距離の歩行など

で体に負担がかかる時は、心臓も含めて、筋肉は血液中の酸素の要求量が増大します。その時、動脈硬化が進んでいて十分な酸素を供給できない時

には、胸の痛みや足のしびれや痛みが起こってきます。特に心臓の筋肉(心筋)は手足の筋肉と違って休めないために、狭心症の痛みとして起こっ

てきます。休息で手足の筋肉の酸素需要が減ることで、心筋への酸素供給が追い付いて症状が消えればいいですが、体にとっては将来心筋梗塞など

危険な状態に陥る前段階のサインです。胸が締め付けられる(絞扼感)、押し付けられるような圧迫感、焼けるような灼熱感と表現されます。場所

も心臓のある前胸部だけではなく、首筋や左肩、みぞおち、歯ぐきにまで拡がることがあります。さらにみぞおちに痛みが起こることもあり、胃痛

と思ったら狭心症だったということもあります。

 この活動時(労作時)狭心症の原因は心臓血管の動脈硬化であり、そのリスクは健診で調べています。三大危険因子は喫煙、LDLコレステロール高

値、高血圧とされ、他にも高血糖や高尿酸、肥満等のメタボリックシンドローム、年齢が挙げられます。生活習慣では動物性脂肪(卵黄やロース肉

等)に多く含まれる飽和脂肪酸(ナッツやチョコレート、バター、ショートニング等にも多い)の取りすぎ、塩分の取りすぎ、アルコールの取りす

ぎ、運動不足、肥満、ストレスが狭心症のリスクを高めるとされています。年末年始には、特に運動不足や飲食の偏りが起きやすくなります。ぜひ

注意していきましょう。

 また明け方の就寝中や安静時でも、同じような症状が現れることもあります。症状が頻回に続く時や、長時間になってきた時は早めにかかりつけ

医に相談しましょう。


年末年始には


 クリスマスから年末年始は、ごちそうに舌鼓をうつ時期でもあります。基本の味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが知られていま

す。このうち塩味は料理に欠かせないものですが、食塩(塩化ナトリウム)の過剰摂取は高血圧や心臓疾患、脳血管障害、腎機能の低下の原因等と

して挙げられています。

 日本人の食塩摂取量は、かつて2000年初め頃は男性で一日12g程度、女性で11g程度でした。その後漸減してきましたが、最近でも男性で11g程

度、女性で9.3g程度とされています。食塩を過剰にとった場合、血液中のナトリウム濃度が上がり、体はそれを薄めるために、水分をため込んで濃

度を下げようとします。そのため血管内の血液の体積が増して、血圧が上がっていきます。また腎臓ではナトリウムを排出しようと過度に働き、ま

た高い血圧が腎臓の血管に直接来ることから、腎機能が疲弊しやすくなります。そのため国は、一日の食塩摂取量を男性で7.5g未満、女性で6.5g

未満にするように提唱しています。また日本の高血圧の専門医学会ではさらに踏み込んで一日6g未満へ、世界保健機関(WHO)は5g未満を提唱

しています。

 この摂取量を目指すためには、普段から薄味に慣れる、食材の食塩含有量に注意することが必要です。醤油でも薄口と濃口では、見た目と違って

食塩量は薄口の方が多いとされています。塩分が気になる時は減塩醤油を使いましょう。また麺類の食事ではスープは残す、すべて飲まない、刺身

や寿司ではつける醤油を減らす、上からかけない、漬物、佃煮、塩辛は少量にする、今からの季節はおでんが美味しいですが、ちくわ等の練り製品

にはかなりの食塩が入っています。購入の際は、外袋の成分表示での食塩量を見てみましょう。

 食塩摂取を減らすためには、塩味の代わりに酢などの酸味や香辛料を利用する方法もあります。またナトリウムと同時にカリウムを摂取すると、

カリウムがナトリウムの排出を助ける作用があります。カリウムは野菜や果物に多く含まれています。ただ果物には甘味(糖)もあることから、摂

りすぎではカロリーも過剰になってしまいます。注意しながら摂っていくようにしましょう。

 また普段どれだけ自分が食塩を取っているかは、測定することができます。気になる時は、かかりつけ医に相談してみましょう。


2価ワクチン


 今年も季節性インフルエンザワクチンの季節が始まりましたが、新型コロナウイルスワクチン接種では、2価のワクチンが始まりました。インフ

ルエンザワクチンは以前から、A型2種とB型2種の4種類のインフルエンザウイルスに対応したワクチン(4価)であり、新型コロナワクチンでは、

これまで接種してきた従来(起源株)型とオミクロン株BA.1(BA.5)対応型を混合した2種(2価)ワクチンとなりました。今回のワクチンには複数

のウイルス株が含まれていることから、さまざまな型のコロナウイルス株に効果があるものと期待されており、このワクチン接種は一回のみとなり

ます。またこの2価ワクチンは、ワクチン接種3回目以降の追加免疫のみに使われ、初回免疫(1,2回目)には使われません。10月中旬からは、初

回免疫(1,2回目)の接種が終了して、5か月経った方全員が対象となっています(ただ接種の間隔、5か月は今後短縮される予定となっていま

す)。

 またこれまでに新型コロナに感染した方でも、感染後3か月空ければ、ワクチン接種を勧められています(例:前回ワクチン接種してから3か月

目に感染した場合は、それから3か月後、通しでは6か月後以降に接種)。それは、一度感染しても再感染があること、感染で獲得する免疫よりも

ワクチンでの方が抗体価が高くなること、さまざまな変異株に対する抗体の産生もみられるとの報告があるからです。なお2価ワクチンの副反応に

ついては、これまでの1価のワクチンと同様で、注射部位の痛み、だるさ、頭痛、筋肉関節痛、発熱等が報告されています。やはり接種翌日には、

休養を取りやすい環境を考えておいた方がいいかもしれません。

 2価の新型コロナワクチンは、既に外国では始まっていましたが、長期間でみた安全性のデータは1価同様に揃っていません。接種をするかどう

かは結局自分で決めることになります。また接種の今後の具体的な日程や予約については、仙台市ワクチン接種専用コールセンター(電話0120-39-

5670)へお問い合わせください。